古英詩[ベーオウルフ]
Beowulf
HWÆT We Gar-Dena in gear-dagun þeod-cyninga þrym gefrunon,
hu þa æþelingas ellen fremedon. 【BEOWULF 1-3】
何度も言葉を塗り替えながら、
はるか古えより伝えられた物語の集大成。
ローマ帝国滅亡後、ほの暗い歴史の闇に包まれた中から、
ゲータ族の若き英雄は現れる。
▽第一部
▽第二部
▽第三部
▽第四部
▽第五部
▽第六部
▽第七部
▽第八部
大英博物館に納められている一種のみ現存。その一部は火災によって破損していて、このことが物語の読解をさらに難しくしている。
言語は古い時代の西サクソン方言からアングリアンなどが混在しており、時代を経て書き写されていくうちにそうなったではないかと言われている。また、ところどころにルーン文字も使用されている。
アングロ・サクソンの王家では、詩人(scop)たちによって、古い時代の物語がハープの伴奏に合わせて歌われていた。この口伝の物語が元になって、のちに「ベーオウルフ」の物語が書かれたとされ、類似する伝説は多く遺されている。
また、実際に起こった歴史的な出来事に関連する部分もあるが、直接的に元になったわけではなく、名前を持って来て物語に奥行きを持たせるための技巧だったようだ。