Gerade-D-
□この人の相手は
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「まきちゃん!おはよー!昨日帰ってから何をしていた?晩ごはんはちゃんと食べたか?よく寝れたか?朝ごはんは何だった?メール送ったの読んでくれた!?」
3年のもうひとりのマネージャー…東堂センパイこと前髪先輩が部室に入ってきて、巻島さんに突進していくのを見て
多分今ここにおる奴全員思たと思うけど…
前髪先輩…ウザすぎる!!
作業とかしてんの見とったら、なんやもっとクールな人っぽいイメージやったのに全然違うやん!!
「……ショ…」
「まきちゃんからのおやすみメール待っていたのだよ!?」
「俺がそんなもん送るわけないっショ」
「そんな照れ屋なまきちゃんも好き!!」
「照れてねーっショ…」
前髪先輩ポジティブすぎるやろ…照れ屋て…。
しかも巻島さんも巻島さんで、めっちゃあしらい慣れとるし…
携帯片手に顔色ひとつ変えへんとか…めっちゃ前からこんな感じなんやろなぁ…。と思いながら
この二人について詳しそうな人に話を振った。
「心さん、前髪先輩ていっつもあんな感じなんスか」
「うん、裕くんの話の時はいっつもあんな感じだよ?」
「うざっ…!めっちゃうざいですやん!」
「うざくはないな!!」
「うわっ地獄耳かい!」
私とまきちゃんはねえ!と何か語りだそうとする前髪先輩の話を聞きたなくて耳を塞ぐ。
アカン、この人絡まれたら面倒くさい人や。
「うるせぇぞお前ら!!さっさと準備しろ!」
「田所が一番うるさいよー!!」
「なんだと?!」
「確かにオッサンが一番うっさいっスわ」
「オッサン言うな!赤頭!」
「賑やかで楽しいね、裕くん!」
「…騒がしいの間違いっショ…」
うるさいとは言わん辺り、巻島さんが上品なんかただの優しさなんか分からんけど、とりあえず
この人の相手は
巻島さんに任せるしかないな、と思た。
→02.分かっとんのに