B-S

□それは、仮面ごしの………
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「ハァ……」

武田名物男祭も終わったある日。
虎の若子こと、真田幸村は深いため息をついていた。

「うぅ……」

青空の下、肩を落とし唸る姿は重症と言えるだろう。こんな時、いつもならば自らの忍に相談するのだが、今日は何やら朝早くから出ており明日までは帰らないらしい。

「情けないな、真田幸村ともあろう者が……」

否、例え居たとしても佐助に言うことは出来ぬのだろうと幸村は自嘲気味に笑い、お茶を口に含む。

「何がですか?」

「なっ…ブッ、ゴホッゴホッ……」

誰もいないと思っていた所に声と共に降って来た男の姿を見て、幸村は口に含んだお茶吹き、盛大に噎せた。
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