暗い

□駒鳥
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「誰が駒鳥を殺したの?」

ハニーブラウンの髪をなびかさせ、初夏の空を見上げて男は呟いた。

おなじように空を見つめ、ふと男のほうを向くと男の頬に一粒の水滴が流れたのが見えた。私にはその水滴の意味が全く分からない。何処かを怪我しているわけでもないのになぜ涙を流すのだろう。






「…俺が駒鳥を殺した」

綺麗な銀髪を耳にかけ、男は煙草に火をつけた。

黒いスーツに白いシャツ。そこに小さな染みを作ったのが何かなんて。愚問だ。







「俺は駒鳥が死んだのをこの目で、見た」

男は剣を振るい、次々に藁を塊を斬っていく。

汗と共に何を拭いていたかなんて。もう何も考えたくない。







「私がお墓を堀りましょう」

少年は埋もれるくらいのブドウに囲まれ、そう言った。

ボンゴレがこんなにいっぱいくれたんですよ、全く心配症な方だ、そう呟いたかと思えばまた次々にブドウを口に運んで行く。その顔は、今にも泣き出しそうだった。







「僕がおつきをするよ」

今まで作業していたであろう手を止め、男はぼそりと呟いた。

真っ暗な夜でなかったらだけどね、という言葉が何故震えていたかなんて本当は分かっていたのに。







「私が賛美歌を歌います」

藍色の長い髪を揺らし、男は言った。

この僕が賛美歌なんてちょっとふざけてますかね、クロームにでも頼みますか。男はとっくに冷えたであろう紅茶に口をつけながら微笑んだ。







「俺が鐘をつこう」

拳にテーピングを巻きながら男は言った。

何故なら俺は極限に力持ちだからな!なんていつもと口調は同じなのに。







あなたは本当に愛されていたのね。でもあなたは自分が死んでも誰にも悲しんで欲しくないと言った。でもそんなのただのわがままだわ。だって皆こんなにも悲しんでる。あなたはとても満たされていたのよ。嗚呼もう人間なんて大嫌いよ。これ以上壊さないで。そうでしょう?ねぇ。駒鳥。





Who killed Cock Robin?
(もう何も出ないと思っていた目から何かがあふれ出した)(ありがとう)(私は、満たされてたのよ)


20080715.

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