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□淡い闇
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間違いは 初めから間違い
完璧な闇に身を置いて
深呼吸と無呼吸で
遅い走馬灯を呼べば
それがわかるだろう
 
殺菌された歌
当たり障りもなく
ガードレールにも触れず
溶接のつなぎ目に汚れ
セーターのそでが黒い
 
やるべきことを理解しているから
示唆されると気がめいる
諦めと絶望の区別もつかないこの頭と
誰かを愛そうとする心は抱き合わせなんだろう
 
 
ここは無菌室
まるで6分の1の丸
風は吹かない
ウサギもいない
星は昼空にしがみ付いていた
 
守るべきものなどないのだから
謳われると歯がゆくなる
西日を追うような幼さを忘れてしまった頭と
この期に及んで愛を支える非力さは
痛みを 空虚を 共有するために
浸水を待っている
 
 
ゆらゆら ゆかしい街を去る
黄昏は夢に光を落す
不可抗力と打開策で
遅い走馬灯を掃えば
それは形を作るだろう
危うく 危うく

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