小説
□父の手紙
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ヒナタへ
お前は明日宗家から去っていくな…
昔は辛く当たってしまったが、大人しいお前がいなくなるだけでも、この家は寂しくなるものだ…
お前があやつと結婚したいと申し出た時、わしは血の近さから反対した
そして既に身篭っていた腹の子もわしはおろせと言ったらお前は
『私があの人の家族を奪ってしまったんです!そして今ではあの人を愛しているからあの人と一緒に家族を作ってあげたいんです…!』
と、泣きながら切実に言ったな
その時わしは昔の出来事を思い出したよ
お前がある日子犬を拾ってきて、わしは飼うのに反対したがお前は
『この子が一人じゃ可哀想だから家族になってあげたいんです』
と、おどおどしながら申し出たな
わしはお前の優しさが胸に伝わって犬を飼うことを許した
お前はあの時の優しさであやつを包みこもうとしていたんだな
私はお前を誇りに思うよ
どこへ行ってもお前はわしの娘だ
いつでも帰ってきたなさい