小説
□あなたが手に入るのならば
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ヒナタはある日の事を思い出していた
それはヒナタが誕生日を迎える前日の夜の事―――
ヒナタはその日なかなか寝つけなかった
理由は16になる誕生日の日にお見合いをすることになっていたから
そういうことはまだまだ先のことだと思っていたのに父であり宗主のヒアシにこの日突然言われた
宗主に言われたので断ることができなかった
そのことからヒナタはいろいろと考えてしまいなかなか寝つけなかったのである
―スッ…――
襖の開く音がした
そちらに目を向けるとそこには宗家に居候している従兄ネジが立っていた
「…寝てなかったんですか」
とネジに言われた
ヒナタは突然ネジが来たことにびっくりしておどおどしながら答えた
「あ、明日お見合いがあって、その事を考えていたらなかなか寝つけなくなってしまって…」
「火の国の大名の息子だそうですね」
とネジが続けた
「そうなんです…」
沈黙が流れた
しばしの沈黙のあとネジが口を開いた
「明日の見合いをやめる方法が1つだけあります」