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□海へと回帰、夢へとたゆたう
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ー「パンツ見てもいいですか?」
「いいワケあるかぁッッ!!」
丁寧な口調で軽口を叩く男に、怒りの鉄拳が飛ぶ
「凄まじい拳ですね!肉が抉(エグ)れちゃいますよ!あ!私、肉無いんでした!!」
「ギャハハハッ!!やっぱ面白ぇなぁ、ブルック!!」
「最高だぜ!骨ロック!!」
「「「…」」」
麦わら帽子を押さえながら大爆笑している少年と、笑い過ぎで流した雫がサングラスに跡を付けている海パン男を後目(シリメ)に、皆ヒソヒソと会合を始める

「ー…やっぱ『アレ』だろ!!」
「…でも、『アレ』だとサンジ君が…!」
「ンん〜!大丈夫だよッ!ナミさんッ!!心配ご無用ッ!」
「…しのごの言ってねぇで、さっさとやれよ!!」
「…せっかちねぇ…剣士さんったら」
「…バカバカしいこたァ、さっさと終わらせてぇタチなんでな!」
「『バカバカしい』とはなんだ、クソマリモッ!!今すぐロビンちゃんに謝れッ!!」
「うるせぇッ!!」
「ま、まぁまぁ…ゾロもサンジも、ンな怒るなって!」
二人を宥めるウソップの援護にチョッパーが入る
「そうだぞッ!!ルフィ達に気付かれたら…「ーオレがなんだって?」
「る、ルフィッ!!何でもないわよッ!!」
「…なァんか怪しいなァ…!」
「何でも無いって言ってるでしょッ!!」
「ルフィ!肉焼くぞッ!ちょっと待ってろ!」
「おお〜ッ!肉ゥぅ〜ッ!!」
(…さ、ナミさん!今のウチに!!)
(わかったわ、サンジ君ッ!!)
アイコンタクトで男の言い分を理解した少女は、親指を立て、グッジョブポーズを取る

「ーさて…準備しなくっちゃ!」
「航海士さん、こっちよ!」
ロビンに手招きをされ、ナミはその細い影を伸ばして船室へと消えて行ったー


「ーなァ、ブルック!小さい時のラブーンってどんなだ?!」
所変わって、甲板の上ー
潮風に麦わら帽子を煽られている少年は、期待に瞳を輝かせながら訊ねる
「そりゃあ、可愛くてね…音楽好きで、私達が演奏し出すと嬉しそうに笑うんです!」
「泣かせる話じゃねぇかぁ〜ッ!!」
「ニシシッ!やっぱ笑うんだな!」
「…ああ…!」
会いたいなぁ、ラブーン…!ー蒼い空に、黒いシルエットを描いた刹那ー
「ーブルック!!」
「ハイ、何でしょう?」
「お?その声はナミか?」
不死の男を呼ぶ声に、一同振り返る
と…
「?!」
「だ、誰だ、てめぇはッ!?」

白いシャツをスリットの入ったスカートにインして、縁のある三角眼鏡を片手で上げるオレンジ頭の女がそこに立っていたー

「ーセクハラですね!」
「な、な…!お前ぇ〜!どうやって、この船に入り込んだんだ!?」
CP9めぇ〜!と、戦闘態勢を取ろうとする少年を抑え込むコック
「落ち着けって!ルフィッ!!アレはナミさん…ああ!!カリファちゃんのコスプレ姿のナミさんも素敵だぁッッ!!」
「…アイスバーグの秘書の格好して…何がしてぇんだ?」
「わっかんねぇのか?!フランキー!男のロマンだろうがッ!!」
「「「いや、違ぇし!」」」
「いやはや、ボーンとビックリ!骨だけに!!その格好も似合ってますよ!あ、パンツ見てもいいですか?」
「いいワケないでしょッッ!!」
「…いや、ナミ…ソコは『セクハラですね』だろう…!何の為に着替えたんだよ…!」
「ハッ!そうだった!私とした事が…!!」
「そんなナミさんも素敵だァッッ!!」
瞳をハートにしてシャカシャカ足を動かす男の金髪がなびく

「ー…結局、得したのはコックさんだけみたいね!」
「…なぁ、ロビン…」
遠くで一部始終を見ていた謎多き女に、ハットを被ったトナカイが問いを投げ掛ける
「…『コスプレ』って何だ?」
「ソコからかよッ!?」
長い鼻と直角になるように上げた腕ですかさずツッコむウソップ

対するロビンは…
「ー…知らない方がいいと思うわ…」
一人、冷静さを崩さないのであったーー
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