小話
□週末の情事?
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「…フゥー…」
リビングのソファーに深く腰掛け、溜め息を吐いていると。
ガチャガチャ…施錠を確かめながら、ソワレが帰って来た。
「あれ?兄貴、今日は久し振りのデートの筈じゃあ…?」
『あぁ…お前こそ週末なのに珍しく早いな』不思議そうに問う弟に聞き返す。
「あ…あぁ…実は…」ボリボリと頭を掻きながら向かいのソファーへ座る。
「ずっと口説いてた娘の部屋へ、やっと行けたんだけど…」情けなさそうにチラリとこちらを見る弟の次の言葉を黙って待つ。
「コトが済んだら突然怒りだして、追い出されちまって…」右手で顔を覆いながら、下を向いて溜め息を吐く弟。
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