小話

□プロローグ
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秋だというのに、あまりの寝苦しさに目が覚めてしまった。
窓を全開にして、外を眺めると、近くの公園に青紫の炎の様なモノが見える。
時計を見る…0時半。
出掛けたりする時間じゃないが、何故か行くべきだと思えて…。
軽く身支度をして階下の玄関へ。


閑静な住宅街。比較的、街灯も沢山ある。
…なのに、何故あの炎はあんなにハッキリ見えたのだろう。
歩いて2、3分。慣れ親しんだ公園に着く。


ふと噴水近くのベンチを見ると、見慣れない赤い髪の男が座っている。
『あのう…』何故か自分でも解らないが、声をかけてしまった。
返事の代わりに、顔を上げて不機嫌そうに、こちらを見る。…マズイ、怖い人!?
…でも、その男は、怖いと言うよりも…悲しい…?


思わず見とれていると…
「女、何か用か?」男が嫌そうに、でも返事をしてくれた。
『あの、青紫の炎みたいなモノ…見掛けませ「これか?」
『!?』男の指先から炎が出ている!?
『あ、あなたは…一体?』
「答える必要など無い」
そう言うと、立ち上がり闇へと去ってしまった。


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