小話

□悪戯天使
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穏やかな日差しの中。吹き抜ける風も心地よい午後。平和を取り戻したサウスタウン。今日も静かに過ぎて行く。


「ソワレ、ちょっと出掛けてくる。夜までには戻る。」この街のキングである彼のお兄さんが愛車マスタングのキーを持ち、通りすぎて行く。
「あぁ、兄貴、気を付けて」『行ってらっしゃい』
部屋の入り口から揃って顔を出す私達に優しく微笑みながら…
「ゆっくりして行くといい。ソワレを頼むよ」言い残して『兄貴』は出掛けて行った。


『はぁ〜。何時見ても素敵なお兄さんだね』「…兄貴兄貴って…お前は誰に会いに来てんだ?」
すねたようにベッドに寝転ぶ彼。
『そんなの…決まってるじゃない』床に座って、上目使いに彼を見ると、心なしか満足そうに見えて…。
『アルバさんに』意地悪く答えると、突然、大きな手に抱き上げられる。
「子猫ちゃん、オシリペンペンだ!」『きゃー!やめてぇ!』
ぐるりと視界が反転して、ソワレの笑顔が真上に見える。
…そして…ゆっくりと近付いてくる…。


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