小話

□キスより甘い…
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年に一度のラブリーな日。
此処にも楽しそうなカップルが一組。


『はい、アッシュ』
小さな手が、可愛く飾られた平たい箱を差し出す。
「メルシー!これは…」
『もちろん、ザッハトルテよ』自然に二人とも笑顔になる。


鼻唄を歌いながら、箱を開けるアッシュ。
そして出てきた大好物に目を輝かせる。
「へぇ〜、良く出来てるじゃない」
『そりゃあ頑張ったもの。…って、手作りって、解るの?』微妙に焦ってる彼女。
「まぁね〜。いただきます」フォークを片手にニコッと笑い、ザッハトルテを口に運ぶ。
ドキドキしながら反応を伺う彼女。
暫しの沈黙。


ゴクンと動く彼の喉元を見てから
『あんまり甘くないでしょ。チョコがビターすぎたかな?』自己防衛の為に、先に口を開く。
「ううん、丁度良いんじゃない?」意外な言葉が返ってくる。
『え?』思わず聞き返した瞬間、盗まれた…唇…



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