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□微熱
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微熱
地獄の様な合宿が今日で終わった。
「したぁ!」
グラウンドに礼をしてから汗と汚れと疲労を流す為にシャワーへと向かう。
何だかんだともたついていたら今日もラスト風呂になった。
気楽でありがたいが少しだけ人恋しい。
当分合宿で皆と入っていたせいか淋しさが少し込み上げた。
「まぁ、どーせあの人ん所いけば皆いるだろうし」
沢村は眼鏡をかけた憧れの捕手を思い出し自分では気付いていないが笑顔になる。
今日も結城キャプテンと将棋指すのかな。
それとも伊佐敷センパイの足揉みか。
倉持センパイ達とゲームだろうか。
何にせよ一人より楽しい。
急かす心を落ち着かせ服を脱ぎきちんと畳んで浴室への扉をスライドさせるとやはり誰も居ない。
さっさと終わらせてあの部屋へ行こう。
降谷に抜け駆けされてもたまんねーしな!あ、春っちも呼んで行こうかな…
そう思いながら沢村はシャワーを手にとり腰かけて頭を洗い出した。
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