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□第五話
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生き返る……?
あたしは、ソウルイーターの死骸を見た。
目を覆いたくなる光景だ。果たしてこれでもまだ、生き返ると言えるのか……?

「ねぇ、あの……これじゃ……」
「『あまりにも酷すぎる』って言いたいんだろ?」
あたしが戸惑っていたら、ラックに言われた。
当たっている。

「だがな、なら、お前はどうする? 俺は、あいつらを出来るだけ一撃で仕留めるようにしてる。その結果がアレだ。お前に、他のことが考えられるか?」

他のこと……?
あたしには、何も考えつかなかった。

「き……急に言われても分かるわけ、ないでしょ……!」
「なら、余計なことは言うなよ? 俺だって、したくてしてる訳じゃないんだ」
そう言うと、ラックはソウルイーターの死骸を焼き始めた。

黒い煙が曇り空へ昇っていく。
まるで、空にソウルイーターの魂が溶けていくようだ。
ラックが言った。
「俺達は、これを繰り返すんだぜ」
「……わかってる。救うには、これが一番……」
あたしはそう言って、灰色の曇り空に溶けていく黒い煙を眺めた。


――でも、あたしは他の方法を見つけたい。
やっぱりこんなの、酷すぎる……。


でも、もしかしたら、これしか道はないのかもしれない。




 あたしは、ラックに乱暴に揺すられ、跳び起きた。
どうやら、いつの間にか眠っていたらしい。
頭がぐらぐら……目が回っている。

……ラックの声が、だんだんはっきりしてきた。
「おい! メア!! 起きろ! 闘え!」
あたしは、はっとして辺りを見た。
ソウルイーターが一、二……五体!?
嘘でしょ!? ……あたしは目を疑った。
……数が多過ぎるのだ!!

今までは、必ずと言っても良いほど、一体ずつしか現れなかった。
なのに、一気に五体も現れるなんて!!

ラックは、自分より大きいソウルイーターを、斧で切り付けていた(これで、一体減った)。
他の奴は……?
あたしは剣を構えて、いつソウルイーターが来てもいいように、備えた。
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