Mea

□第六話
2ページ/8ページ

ソウルイーターはそのあとも、割れた窓から、ぞろぞろと部屋に入って来た。
みな、赤茶色の肌を、血で赤に染めている。

ラックは、そんなソウルイーターたちを、斧で斬っていった。
ラックの手にかかれば、どんな化け物も、あの世行きだ!

あたしはというと、窓から入って来たソウルイーターをラックに任せ、一階へと通じる階段に足をかけていた。
ここは、尻尾を巻いて逃げ出した方が、絶対いいに決まってる!
ラックも、あたしが呼んだらすぐに来るはずだ。


しかし、あたしが階段を一段下りたところで、前からぬっと、大きな黒い影が現れた。
「きゃ……っ!!??」
あたしは思わず後ずさりし、自分が下りた階段につまずいてしまった。
おまけに、ぶざまにも、しりもちをつく、というありさま。

その影は、階段の曲がり角から現れて程なく、全身をあたしにさらした。
やはり、こいつらだ……!
あたしは、やっとのことで、声をしぼりだした。
「……ソウル……イーター……」

あたしが声を出した瞬間、あたしの前に現れたソウルイーターは、驚くほど低い声で、あざけるように鳴いた。
その声が合図なのかどうかは知らないが、声と同時に、後からたくさんのソウルイーターが押し寄せてくるではないか!

あたしは、はっとして立ち上がり、急いで腰にさしてあった剣を抜いた。
ソウルイーターを、倒さなきゃ!

と、その瞬間、目の前にいたソウルイーターが、その爪をあたしに向けてくるのが見えた。
あたしを引き裂こうと、その目には、うっとりとした表情まで浮かんでいる。
――そんな簡単に、引き裂かれてたまるか!

あたしは、剣でその爪を弾くと、そのままソウルイーターの体を斬った。
すると、ずしゃっ、と音をたて、そのソウルイーターが階段の上に伏する。
これでとりあえず、一体は倒した。
だが、安心はできない。
何たって、まだまだソウルイーターは、たくさんいるんだから!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ