KILLERS《キラーズ》

□第二節
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「なんか、ちょうどいいヤツ、ある?」
ギルドの中のカウンターにいる男に、諸刃さんが尋ねた。
その人は、諸刃さんが一人じゃないのに気付くと、にやりと笑い、

「ああ、あるぜ。二人でやるのに、ちょうどいいヤツがな」
と言って、少し待つように指示してから、壁にあるモニターに目を走らせた。

その間、あたしは改めてそのギルドの中を見回すことにした。

ここは、大きなコンクリート造りの建物の、8階に位置している。
一見しても、とてもギルドとは言えない程、白く、広い部屋だ。

きっと知らない人なら、どこかの実験室にでも入ったと思うだろう。
そしてその中に、たくさんのコンピューターとモニターに囲まれている男性が一人だけ(この人が、紹介状を書いてくれた人ね)いる。

こんな広いオフィスのようなところに男性が一人、だなんて、なんだか可笑しい。

あたしが部屋を見回していたら、諸刃さんが問い掛けてきた。
「そんなに、ここが珍しいか?」
突然だったから少し驚いたけど、あたしはすぐに持ち直した。

「うん……。だって、なんで国と繋がってる筈のギルドに人が一人しかいないの?」
この部屋は体育館ぐらいの広さだけど、壁が白いせいで、余計に広く感じる。

壁には貼り紙があり、そこには、『このギルドは、国家機関から依頼され、開いている』と書いてある。
「ん?それは――」
「ほら、あったぜ。これならどうだよ?」

諸刃さんが答えようとした時に、カウンターの男が一枚の紙を渡してきた。
諸刃さんが受け取り、頷く。
仕事が決まったのだ!
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