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□第八話
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ちょっと待ってよ、とあたしは慌てて言った。
「な、何であたしなの?」
あたしにできるのなら、他の人にだってできるはずだ。
あたしはただの、弱い子供でしかない。
ラックが、出来の悪い子供に教えるように、丁寧に言う。
「お前は、ソウルイーターの印を付けられている」
「だ、だから何よ?」
そこがポイントなんだ、とラックは続けた。
「ラッカントを倒せるのは、ソウルイーターになる前の″異界から来た″人間だけなんだ」
どういうことだろう?
それに……。
「なんでソウルイーターになる前なの?あと、″異界から来た″っていうのも……」
いい質問だ、とラックが笑う。
「まず、ソウルイーターになる前ってのは、力がすごく上昇してくるんだ。感じてるだろ?」
……言われれば、確かにそうだ。
あたしはこの頃、自分の身体に違和感を感じていた。
ソウルイーターと戦ったときも、以前と比べたら全く疲れなくなった。
湖に潜っていたときだって、ずっと息をしなくても平気でいられた。
「それから、異界から来た奴は、それだけで力があると言われているんだ」
「何よ、それ?そんなの、わからないじゃない。」
ラックの答えは、間違っているとしか言えない。
言われている、というのはしょせん、迷信や言い伝えでしか無い、ということだ。