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□第六話
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 一階の、あたしたちの真下にあたる部屋から、ガシャン、と窓が割れる、大きな音がした。
何かと思って呆然としていたら、また、別の窓が割れる音。
「何なの!? ラック、これ……」
ガシャンガシャンと、次々に割れる音に耳をふさぎながら、あたしは叫んだ。

「知るか!! 俺が聞きたいくらい……!?」
ラックが言い返していた途中に、突然、ラックとあたしの右側にあった窓が割れた。
「きゃああ!!」
あたしは、避けることを忘れて、目をつぶってしまった。

ガラスの破片が、頬にあたる!
「メア! ……何やってんだよ、馬鹿野郎!!」
ロウソクはとうに消え、暗闇にラックの声と、ガラスの音が響いた。

と、次の瞬間、あたしはラックに、机の下へと押し込まれた。
「……たく、何やってんだよ! 避けろ!!」
途端に、ラックの怒った声が、飛んでくる。

「ご、ごめんなさい……。あの、あたし……」
あたしは謝ったが、
「もういい! ……ここは危険だ! 奴らに嗅ぎ付けられた!!」
と、言われてしまった。
そして、あたしはここで一つ、気になることがあった。
「あれ? ……ラック、奴らって、誰?」

ラックはいらいらと、持っていた斧を振り上げ、
「こいつらだ!!!」
と叫び、自分の後ろにいた、ソウルイーターの首をはねた。
「嘘! ソウルイーターが、なんでここに!?」
あたしは叫んだ。

そのソウルイーターは、赤茶色の皮膚をもっていたが、ガラスの破片で切れ、傷口から、灰色がかった血が流れ出ていた。
ソウルイーターが、クックッ、と笑う。
あたしは、ぞっとしながら後ずさった。

だって、こんなとこまで……それに、窓ガラスをぶちやぶって、入ってくるなんて!!
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