KILLERS《キラーズ》
□第八節
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僕たちが無事に仲直り出来てから、一夜が明けた。
「ダズ?学校、遅れるよ!」
満月の声と共に、僕の忙しい学生生活はまた始まった。
相変わらず僕は、まだ早起きができない。
そのため、昨日と同じく満月に指示されるがままに支度をし、Tシャツで転んで諸刃に笑われた。
嫌なサイクルだ。
「行って、きます!」
僕は手を振る諸刃の、にやりとした表情に別れを告げて扉を閉めた。
また、変わらない一日が始まる。
「昨日は、ごめんね?突然あんなことになって……」
ふと、歩き始めたところへ満月がつぶやいた。
「昨日って、満月がパニックになった……ときのこと?」
満月が黙ってうなずく。
ごめんね、と急に言われても、満月がどう悪いのかわからない。
「謝る必要は……無いでしょ?満月には、落ち度がない、から」
よって僕は、素直な感想を述べた。
「でも……迷惑かけたでしょ?あたし自分があんなになるなんて……わからなかったの」
満月の顔がわずかに赤く染まり、目に涙が浮かぶ。
待って、これじゃあまるで僕が泣かしたみたいじゃないか!
「満月は、悪くないから!迷惑じゃない!」
慌てて言ったせいで、大声を出してしまった。
僕たちとすれ違った人たちが、いぶかしげに見てくる。
ああ、もう……何してるんだ、僕は。
自分に嫌気がさしてくる。
恥ずかしい。
「……本当に?」
満月が消え入りそうな声で言うものだから、僕は、え?、と思わず聞き返してしまった。
「本当に……迷惑じゃない?」
満月の目に、さらに涙が溜まっていく。