KILLERS《キラーズ》

□第六節
1ページ/17ページ




《諸刃》



ダズと合流したあと、俺たちは無事に、停めてあったキャンピングカーまで辿り着いた。
ダズは左腕を撃たれていて、とても体力を消耗していた。
満月が、ダズにべっとりとこびりついた泥を落としながら、タオルで濡れた身体を拭く。
「最初にダズが穴から出て来たときね、泥のかたまりが動いたのかと思ったんだよ」
満月が笑いながら言った。

「どろの……かたまり、だなんて……」
ダズがもうろうとする意識の中、不満そうな声をあげた。
「それで、腕はどんな感じだ?」
俺はダズに尋ねた。
「まだ……たまが、はいった……まま。かなり……ちが、でてた」

応急処置をするにも、もうダズが止血をしてあるから、施す手がない。
俺は満月にダズを預けると、すぐにキャンピングカーを走らせた。
病院へ、連れていかなければならない。
前にも俺とダズが入院していた、あの病院だ。

しかし、まだダズの腕の中に銃弾が入っているとすると、かなり危ない気がする。
銃弾が動脈や神経を傷つけたり、圧迫していると、とても厄介なことになる。
俺は、先を急いだ。
信号にひっかかったので、俺はその間にギルドへと電話をした。

「はい。社員コードをどうぞ」
これが面倒な手続きで、ギルドに電話したときは、この社員コードを認証しないと先に進めない。
俺は自分の社員コードを言い、認証されるのを待った。
しかし――先を急いでいるのに進めない、とは、冗談にもほど遠い。
こっちは一刻を争う事態だというのに。

その後、すぐにギルドの奴に電話が繋がり、俺は今の状況を報告した。
「わかった。病院には、俺が伝える。すぐに医師を手配するからな」
「ああ、頼む!じゃあな」
俺は電話を切り、再び車を走らせた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ