KILLERS《キラーズ》
□第三節
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《満月》
この間、あたしたちが蛇の駆除をしてから、ちょうど一週間が経った。
土日でまた、次の仕事をしなくちゃ。
蛇退治は低いレベルの仕事だったから、一獲千金!とまではいかなかったな(それでも、結構貰えた♪)。
次は、何をするんだろう?
「諸刃!起きてよ!今日は、ギルドに行くんでしょ?」
あたしは、諸刃の部屋のドアを開けようと、ドアに近付きながら、ドアノブに左手をのばした。
諸刃ったら、ちっとも起きてくれなさそう。
と、あたしがドアノブに手をかけた瞬間、ドアが勢いよく開いた!
あたしの左手に、鈍い痛みが走る。
左手の指を、突き指したらしい。
「痛っっったい……」
涙で、目の前がぼやける。
やがてゆっくりとドアが開き、銀髪の青年が顔を覗かせた。
「悪い、大丈夫か?満月」
「諸っ……大丈夫な訳ないよ!痛い!」
あたしは、噛み付くように言った。
とにかく、痛い!骨折したんじゃないかな!?
諸刃は顔をしかめて、あたしの指を見た。
「しばらくは痛むだろうけど……大丈夫、骨折じゃないから」
へらへらと笑って、その後あたしの指を手当てしてくれた(あまり上手じゃないけど、悪いと思ってやってくれたみたい)。
ところで、もし怪我したのが、利き手の右手だったら、どこまでしてくれただろう……?
そんな考えは置いておいて、とりあえずは次の仕事!早く知りたい!
――なんであたしは、そんなに仕事を楽しいと、思ったのだろう?
生きるのに不必要な命を、残酷に切り捨てる、この仕事を?
蛇のときに、悲しみや、苦しみを知ったはずだったのに。
わからないけど、とにかくあたしは、何かを殺すこの仕事を楽しいと思い、快感を得られると、愚かにも考え、信じ込んでしまったのだった――。