ANOTHER STORIES

□Aunt's alcohol―おばさんの酒
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あたしは、地位も名誉もある女、エリザベス・グラント。

いつも男には不自由しない。
ほら、今日だって。

「ベス、君は今日も綺麗だ。月だって嫉妬する」
濃い金髪の、背の高い青年。
この子は、あたしの彼氏の一人。
このほかにだって、たくさんいるんだから。
少しおごってやれば、いくらでも尽くしてくれる。

「ねえ、ベス。……毎回悪いんだけど、五万ドル貸してくれないかな。友達のイーズが、母親の入院費用を貸して欲しいって言ってきたんだ。ほら、あいつ、貧乏だしさ。結構大変な病気らしいんだ」

この子も、あたしを頼りにしてくる。
あたしがいないと、何も出来ないのよ。
「いいわ、五万ドルね。今度渡すわ」
「ありがとう!やっぱり、ベスは最高だよ!」

いつもこうして金をせびられても、気前よく渡す。
貧乏人だとは思われたくないしね。
それに、そうするとこの子たちは優しくなる。
たくさんの愛をくれるわ。
だから、あたしも金を貸す。
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