jump comic-D-

□目を見れば
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「どうせお前には分かんねぇだろ」





日向とのことをどうこう言われて つい、口から出た言葉は
そんな 突き放すみたいな言葉だった。

いつもそうだ、小学の頃から俺は何も変わらない。





でもそれはコイツも同じだ。
昔から、何も変わらない。





「…そんな風に言わないで?」

「、」

「分からないからこそ、分かりたいって思うの。だから人は、言葉を交わすの」



分かんねぇのは俺の方だ。

いつも難しいんだよ、お前の言うことは。



それでも、居た時間が長いからか分かんねぇけど
分かることがひとつある。



目を見れば、
また勝手に言葉が出てくる。



「…悪い」

「、ううん。ありがとう」

「…なんでお前が礼言うんだ」

「嬉しいから」

「何が」

「伝わって、嬉しいから」

「……分かんねぇ」

「そっか」



さっきは、俺の言葉が悲しいんだと
そう言った。

今、目を細めて笑うのを見れば

今度は嬉しいんだと
そう言った。



「…お前の言うことはいつも分かんねぇけど…別にいいんだろ」



そしていつも

俺たちはこれでいいんだと、言う。





目で。





「でも、日向くんとはちゃんと話さなきゃだめだよ?」

「だから、アイツ言っても分かんねぇ…」

「それでも、言わなきゃ」

「…」

「だって飛雄と日向くんは、飛雄と私じゃないんだもの」

「…??」



お前の言葉は、いつも難しい。



「ね?」



それでも、








見れば



よく分かんねぇけど…仕方ねぇからもう1回話してみるか、なんて、いつも簡単に思わせる。







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