jump comic-D-

□まだしばらく
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「お前はほんっま、ツッコミのキレが足りへんねん!」



そんな謙也の声が聞こえてくる教室で
頬杖をつきながら あぁ、またやってんなーって少し前の席の二人を見やる。

謙也もほんま、飽きへんなぁ…て思いながら
まぁ、それを眺めて3年目になる俺も人の事言えんか。と一人で苦笑した。



「えー、そんなん言われても…」

「ボケもノリツッコミも下っ手くそやし。生まれる県間違えたんちゃうか!」

「もーそこまで言わんでもええやん…。なまえだってなーなれるんやったら、小春ちゃんみたいに面白い女の子になりたかってんで?」

「いや、アイツ男やぞ」

「でもなー、人には向き不向きってあるやんかぁ…。なまえはな、」

「おい、聞けや!マジで言うてんのかお前。今のボケやろ!?」

「…謙也、なんの話してんの?」



あの二人は俺と会うもっと前からこんな感じらしいから
面白さ気になんねやったら、早う二人で夫婦漫才でもしたらええと俺は思ってんねんけど。
って毎日しとるか。

マイペースななまえに
引っ張ろうとして振り回されとる謙也を見るんがついついおもろくて、
さて、行くかと自分の席から立ち上がる。



「〜…お前はボケも下手くそやなっちゅー話や!!マジかボケか分かりくいねんアホ!!」

「…よう分からんけど、そんな怒らんくてもええやんかー。なまえだって他の女子にな、『なんであんなおもろない子がテニス部のマネやってんねやろな〜』って言われてんの知ってるしな、テニス部の皆にも申し訳ないなぁって思ってんねんけど、」

「…はぁ!?そんなん言われてお前黙っ」
「俺はなまえはそのまんまでええと思うけどなぁ」

「白石!」

「まぁまぁ、謙也落ち着きや」



なまえ馬鹿にされて腹立つのも分かるけどな、なんて
なまえには聞こえへんようにこっそり言うてやれば机に足ぶつけながら謙也が立ち上がる。

こうやって遊べるとこがまたおもろいねん。



「?」

「はぁ!?いや、俺は別にそんなんちゃうし!!」

「俺はなまえ、結構おもろい思てんで?」

「ほんま?」

「おい!聞いとんのか白石!」

「ホンマやで〜。謙也とおる時なんか特にな」

「ちょ、お前何言うてんねん!?」

「せやから、そんなん言われても気にせんで大丈夫やって」

「おいこら!俺を無視すんなっちゅー話や!!」

「おおきに、蔵くん!なまえホンマいーっつも謙也に怒られてばっかりやからなあ…あんま自信なかってんなー」

「お、」

「せやなぁ、女の子は褒めたらなアカンで謙也〜」

「…っっ」



せやないと、いつまでもこんままやで?
とまたこっそりと謙也にだけ耳打ちしたれば、眉間に皺を寄せる謙也につい笑ってまう。



「〜…せ や か ら 俺 は!」
「さっきから二人は何の話しとるん?」

「な、何もないわアホ!!」

「なまえ、これはな、男同士の話や」

「あ〜…そーいうんはあるよなぁ。そういうことやったら聞かへんよ!なまえもなー、謙也や蔵くんより小春ちゃんがええ時もあるもんな〜」

「おっ前、せやからアイツは男やって言うてるやろ!!」

「謙也は知らんかもしれへんけどなぁ、小春ちゃんめっちゃ可愛ええねんで?女の子の気持ちもめっちゃよー分かっとるし、スイーツとかメイクの話もできるし、いっつも相談のってくれてなぁ…」

「アホか!んなもん知りたないわ!だいたいそういうこと言うとるんとちゃうっちゅー話や!!」

「えー、じゃあどういう話なん?」

「せやから…っ、あー!もうええわアホ!!」



って結局叫んで教室を出ていく謙也に俺はため息をつく。
謙也、肝心なとこヘタレやからなぁ…。

俺らもう3年やから、そんなゆっくりしとる場合やないと思うんやけど…
こればっかりは本人らしかどうもできへんか、となまえを見たら
謙也が出ていった扉を眺めて「謙也、カルシウム足りてへんのかなぁ」なんて呑気に呟いとるから







しばらく



かかりそうやなぁ、と卒業までヘタレに付き合う覚悟を決めた。







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