jump comic-D-

□大好きだよ、
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中学でバスケを始めて、それからもうバスケが楽しすぎて、夢中で、すげー好きになって。
それと同じくらい好きで好きで、もうすーーっげぇ好きで仕方なくて
猛アタックを続けて、やっと最近付き合えた彼女が俺には居る。

周りには内緒なんスけどね!っていってもわりと皆知ってる。
俺は分かりやすいから、すぐバレた。

今日は朝から撮影があって、ホントはそのまま帰る予定だったけど、
明日出す宿題を学校に置きっぱなしにしてたの忘れてて取りに来た…っていうのはついでで!なまえっちに会いたいな〜と思って。

部活も終わった時間だけど、マネージャーはいつも帰るの遅いから、まだ居るはず!
なまえっちを家まで送って一緒に帰ろーっと、


思ったのに、






「黄瀬くんが、私のこと好きじゃなくても構わないの」





部室の扉を開ける前に、それどころじゃなくなった。
俺が聞き間違えるはずない、なまえっちの声。

一瞬止まった手で、扉を開ければ、
そこにはやっぱりなまえっちが居て。





なんスか、それ。





「……なまえっち…それ、本気で言ってんの…?」

「え、き」
「本気で!そんなこと思ってるんスか!!」

「黄瀬くん……、」


「っ…もういいっス!!」



何で…、
なんで『そんなこと思ってない』って即答してくんねーんスか!
なんで…、こんな、好きなのに、



俺が伝えてる気持ちなんて信じてくれてないってこと?



忘れ物とか何かもう色々、頭からすっ飛んでって
何も考えたくなくて全力で走る。

それでもぐるぐる、ぐるぐる、
なまえっちのことばっかり頭に浮かんで。








授業中も、部活も、
全然 何も入ってこなくて







そうこうしてるうちに3日くらい経ってて…なまえっちとは、あの後話してない。
話しはしたいけど、何て言えばいいか分かんないし…もし話かけて別れよう、とか言われたら俺もうやってけねーっスもん!
かといってこのまま自然消滅みたいになるのも困るし…あーもーどうしたらいいんスか!

うじうじしてる俺そろそろキモいと思うんスけど…!
部活中だって皆に集中しろって超怒られてカッコ悪いし…







「…黄瀬くん」
「うわっ!黒子っち!いつからそこ居たんスか!?」

「さっきからずっと居ました」

「…うわーん!黒子っちーー!俺どうしたらいいんスかーー!?」



答えの出ない思考にうんざりして、思わず黒子っちに泣きついた。



「みょうじさんと仲直りしてないんですか?」

「話かけて別れ話になんないか怖くて…」

「別に嫌いとは言われてなかったじゃないですか」

「そうっスけど!…俺、怒っちゃったし…」



あの時はついカッとして、彼女に背を向けてしまったけど



「……みょうじさん、言っていました」

「?」

「『黄瀬くんの邪魔にならないようにするのが、黄瀬くんに出来る唯一のこと』なんだと、」



冷静になって考えてみたら、思い当たることが色々あって



「…そんなの…」





告白なかなかOKくれなかったのも、


滅多にデートしてくれないのも、


名前で呼んでくれないのだって、



全部




嫌いとかそういうんじゃなく、

仕事に支障が出ないようにって気を使ってて





「君たちはもっと、ちゃんと話した方がいいと思います」





俺がファンに囲まれてても平気そうにしてたけど

きっと、そうじゃなかった



「黒子っち、俺…」

「お昼休み、あと10分ですよ」

「…行ってくるっス!!」






なんて強い人なんだろう



でも、俺は









「なまえっち!」

「黄瀬くん、」





離れたくなんかない
離れてほしくなんかない

離れても大丈夫なように、なんて
そんな前提 考えないで

君には笑って、一番傍に居て欲しい





「俺、頼りないのかもしんないっスけど、絶対!ぜーったい離れないし、ずっと一緒に居るっス!だからもっと…もっと俺のこと好きでいて欲しいっス!」



離す気なんて、別れる気なんてないって分かるように思いきり抱き締めて
小さく俺を呼ぶ声が聞こえて、腕を緩めればなまえっちが申し訳なさそうに俺を見上げた。



「この前は、ごめんね…。でも、ちゃんと好きだよ、黄瀬くんのこと」

「ホントっスか?絶対?!」

「黄瀬くんが思ってるより多分ずっと、好きで居るよ」

「…俺だってなまえっちのこと、すーっげぇ好きなんスよ?ちゃんと分かってくれてるんスか?」

「うん、分かるよ」



その言葉となまえっちが少し微笑んだのにほっとして、腕をほどく。



「…じゃあ、今日は一緒に帰りたいっス。この前だめだったから」

「うん、ごめんね。一緒に帰ろ?」

「あと、もうあんな悲しいこと言っちゃダメっスよ!絶対!」

「…うん、もう言わない。ごめんね?」



まだ俺が怒ってるんじゃないかと思ってるのか、なまえっちがまた申し訳なさそうに謝るから



「…名前で呼んでくれたら…許してあげるっス」



拗ねたようにそう言えば

そんな俺を見て、なまえっちはやっといつもみたいに笑った。











きだよ、



涼太って、そう言って笑う彼女を俺はもう一度抱き締めた。








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