jump comic-D-

□誰よりも
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「なまえセンパイ!大好きっス!!」

「………それはどうもありがとう」
「練習中だバカヤロウ!!!!!」





笠松の飛び蹴りで、綺麗に横に飛んで転がってった後輩を見て

とりあえず、溜息をついた。





「痛いっスよ!笠松せんぱぁーい…」

「うるっせぇ!もう練習始まってんだよ!!真面目にやりやがれ!!」

「えー!だってまだ話の途中っスよ!」

「んなもん終わってからにしろバカヤロウ!」



うちの新入生エース様は、入部して数日
少しでも時間があればずっとこの調子だ。
目があった瞬間から、一目ぼれしただの、彼氏は居るのかだの騒がしいことこの上ない。

飛ばされた先で 何やら笠松と言い争いをしてると思えば、
笠松がこちらを向き、私を指さして言い放つ。




「5分やる!それ以上はやらねーぞ!」

「了解っス!」




犬にGO!とでも言わんばかりの笠松と、嬉しそうにこちらに走ってくる黄瀬を見て
このチームは大丈夫なのかと心配になった。

っていうか5分与えなくていいよ、練習させなよ。





「なまえセンパイは、俺のこと好きっスか?!」



だいたい部活中に愛の告白って、ドラマでも少女漫画でもないんだけど
今時の子ってみんなこんななの?2つしか違わないよね?なんて思いながら、
目を輝かせて、ド直球を投げ込む後輩の顔をじっと見る。



「……まぁ、好きかな」



そう答えてやれば、さらに目を輝かせて喜ぶ様が
遊んでもらえて喜ぶ犬となんら変わりないような気さえしてきて

ただそうなると、少々躾がなっていないようだけど。



「じゃあ俺達両想いっスね!!今日から恋人…」
「それは無理」

「えぇえー!?何でっスか?!!俺のこと好きなんスよね?!!」



顔は。という意味で返したのだ。さっきの言葉は。
モデルをしてるだけあって、スタイルも顔も申し分ないのは確か。

でも、それとこれとは別の話なわけで
顔だけで彼氏を選んだってろくな事はないのだ。




「モデルとしての黄瀬は好きだけど、男としての黄瀬はよく知らないから無理」




そんな私の否定に対して黄瀬は目の輝きを失わせることはなく
犬でいうならばしっぽを振っているんじゃないかって勢いでぐいぐいと纏わりつく。



「それ!!俺の外見は好みってことっスよね?!」

「……前向きだね」

「じゃあ、あとは中身も好きになってもらえばいいだけっスね!」

「………そうですね」



どんな躾をされてこうなってしまったんだろうか。
好かれないという選択肢はどうやら彼の辞書には存在しないようだ。

笠松の怒鳴り声に嬉しそうに返事をする黄瀬を見上げて
どうしたものかと頭をかしげた。



「じゃあなまえセンパイ!とりあえずバスケでカッコイイとこ見せるんで、ちゃんと見ててくださいっス!」



そう言って子供の様に笑った彼は










りも



キラキラと輝いていた。








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