Beide gefuhle-D-

□どうしても
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遊星の無事を確認して、俺はすぐさまブラックバードを出した。
空が薄っすらと明るくなりかけてるなかを猛スピードで走る。



「ナマエ…」





どうする、どうすりゃいい。
いくら考えても何1つまとまらねぇ…。
言うべきか、アイツに……言えるか?








鬼柳が生きていた、なんて。








昔のナマエが頭にちらついて、胸がざわつく。
せっかく、また落ち着いてきて、笑うようになったってのに…どうすりゃいいんだよ…。
しかも鬼柳は今、敵、なんだ。



「くそっ…!!!」



結局答えを見つけられないまま アジトに近づいていく。
…とにかく帰るか、寝てっかもしれねーし…

寝ているであろう子供達やナマエを起こさないようにエンジンの回転数を落とし、エンジンを止めてアジトまで押して歩く。





「クロウ…?!」

「!!お、起きてたのかよ!」

「寝れるわけないよ…!」



外で待ってたのか、すぐさま駆け寄ってくるナマエに言葉が詰まる。



「大丈夫?怪我とかしてない?!」



俺は隠し事とかそういうのは苦手なんだよ、
あーくそ!、どうすりゃいいんだ…

俺の気も知らねぇで「聞いてる?」と首を傾げるナマエに、なんか…気が抜ける。



「っ…お、おー」

「…なんか、へん…。やっぱり怪我してる?嘘はだめだよ!」

「ち、違げーよ!怪我は俺じゃなくて遊星がだな!」

「!遊星、大丈夫なの…?」

「大丈夫だ、マーサに任せてきた」



とりあえず、忙しないナマエを落ち着かせて中に入るよう言った。
暖かいものでも入れるね、と小走りに中に戻るナマエの後を、ブラックバードを押しながら追う。



…誤魔化せてんのか?
どうする…言うか、言わねーか、


言って、どうする。





もし、また昔みたいになっちまったら?




鬼柳に会いに行くなんて、言い出したら?


敵だと知っても、コイツは…




ブラックバードを端にとめ、椅子に腰掛ける些細な時間すらも、ごちゃごちゃ考えて
結局、答えが出ないままナマエと向き合うことになって。

ナマエが俺の前にカップを置き、向いの椅子に座る。
さんきゅ、と短く言えば心がすげー嬉しそうに微笑んだから不思議な顔をした。
俺が居ねー間になんか嬉しいことでもあったのか?と思えば、それは違うみてぇで。






「おかえり、クロウ」






言えねぇ。

瞬間的にそう思った。



怖かったんだ、俺は。
ナマエを、失いたくねぇんだ。





「…ただいま、ナマエ」





お前がもし望んでたとしても。





ごめんな、









しても



言えねぇ。鬼柳にお前を返したくねぇから













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