Beide gefuhle-D-

□どうするだろうか
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「遊星。クロウも一緒か…クックック
俺がどれだけこの時を待ったか…お前達には分かるまい」



俺と遊星でBADの最深部である旧モーメントへ向かい、
たどり着いた先に居たのは









鬼柳、だった









「まさか…鬼柳…?!」

「生きていたのか…!鬼柳京介…!」



死んだはずの鬼柳が、ダークシグナーとして俺たちの前に居て
謎の炎が地を這い、コースを浮かび上がらせる。

鬼柳の腕にはダークシグナーの証だという、痣が光ってやがる。



「まずは遊星、お前を黄泉の底へ送ってやる」



コースからはじかれた俺は、現状を把握するため崖の上へ上がって。
後方からの機械音に顔をあげれば、頭上をヘリが飛んでいった。
ヘリから身を乗り出してるのは…ジャックじゃねぇか。



「お前は…鬼柳…?!」

「おもしれぇ、まさかこの4人が集まるとはなぁ。これも黄泉のお導きってか?ハッハッハッハ! 俺は貴様等を絶対に許さない!この炎は俺の復讐の業火だぁ!!」

「鬼柳、あの時のことは…」
「忘れるわけないよなぁ?!俺を裏切り、死に追い詰めた!」



俺とジャックと遊星はガキの頃からつるんだ仲で
そこに鬼柳がナマエを連れて現れ、サテライトでくすぶってた俺達に、ちっぽけだが望みを与えてくれた。



「あの時は楽しかったよなァ、遊星!なぁ、クロウ!あぁ!?ジャックよぉ!!」



あの時鬼柳に会ってなきゃ、俺達は出口のないサイテライトに押しつぶされて、ただのクズになってたかもしれねぇ。
鬼柳は、俺たちにとって、「救世主」だった。



「そういやクロウ、アイツも元気かぁ?ナマエはよぉ…」

「っ、」





心臓が大きく跳ねる。
そうだ、あいつが…鬼柳が生きてると知ったら……ナマエは、






『京介っ…!いや…待って!連れていかないで…!お願い…!!!』






…待ってるんじゃねぇのか。鬼柳が戻ってくることを。
叶わないと分かってても、心のどっかで…



「アイツも許さねぇ、この俺を裏切ったんだからなぁ!!!」

「違う!!あいつは最後までお前を一番に思って…!」
「どうだかなぁ!結局はお前についたんだろ、クロウよぉ?アイツも俺を裏切ったんだよ!!」

「違うっつってんだろ!!!!!」



ナマエは、お前のことしか考えてなかった。
お前が連れて行かれたって、お前が死んだ後だって、ずっと、





「この炎は俺の怒りと同じだ。勝敗を決するまでは消えることはない!」

「鬼柳!」

「そろそろ始めようじゃねぇか?シグナーとダークシグナーの…いやぁ?かつての仲間同士の命を賭けた戦いを!いくぜ、遊星!」



そうして始まったデュエルは、覚悟はしてたものの
想像よりもえげつねぇもんだった。

巨大な炎の地上絵、
昔の鬼柳の面影なんてないハンドレスコンボ、
大量の生け贄に、マイナスレベルのシンクロ召喚、
攻撃も効果も効かねぇ巨大なモンスター



「我が神コカパク・アプよ!宿敵のシグナーに裁きの鉄槌を振り下ろせ!!」



自縛神の攻撃をDホイールの故障によって直撃を免れたが、遊星の身が地に転がる。



「遊星!!」



鬼柳がカードを掲げると、全てが消え去り、
鬼柳自身も、去って行った。



「早く乗せろ!マーサの所に連れて行く!」



鬼柳とナマエのことを考えたくてもまとまらない頭で
とにかく怪我をした遊星をブラックバードに乗せ、マーサの家まで運ぶ。

治療が終わるのを待っている間も、俺の頭の整理はつかないまま。





「おまえは…」






鬼柳が生きてると知ったら、










するだろうか



やはり 会いたいと、
鬼柳の元に戻りたいと、願うんだろうか












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