Beide gefuhle-D-
□私は、また
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遊星が皆に休むよう促して、火を消した後
皆が寝静まる中、どうしてか目が冴えて 私は眠れなくて。
外からかすかに物音して、体を起こす。
なんとなく嫌な予感がまとわりついていて、自分の鼓動が大きく聞こえる気さえする。
物音の正体を確かめようと、小屋から外を覗こうとしたとき
クロウの声が聞こえて、私はその場に止まって話に耳を傾けるしかなかった。
「やっぱり一人で行くつもりだったのか」
「クロウ…」
「黙って行っちまうなんて水臭ぇじゃねーか」
眠れなかったのは、心のどこかで私も分かってたのかもしれない、遊星が黙って行こうとすること。
そういうところ、昔と変わらない。
「これは俺の戦いだ。お前達には関係がない。」
「!…相変わらずだな」
「この戦いに巻き込みたくないんだ」
本当に変わらない。優しくて、仲間思いなところ。
私は、何か変われたかな…あの頃から、
「待てって!俺じゃあ力になれねーって言うのか?!」
「お前は分かってないんだ!ダークシグナーとの戦いが命がけだってことを。…スリルを求めるだけのライディングデュエルとはワケが違う。奴らとのデュエルは命を削る戦い…あれはまさに、魂をかけた戦いなんだ。その結果は…
あるいは、死。」
遊星の言葉が、
『死』
その言葉だけが耳について離れなくて。
その時脳裏に一瞬、過った、
『お前も俺を裏切るのかっ…!!ナマエっ!!!』
閉じられていく扉に消えてく、
あの人が、
京介が、
一瞬で心を掴んで離さなくて。
息ができなくなりそうなくらい、痛くて。
「っ…!」
助けてあげられなくて、ごめんね
止めてあげられなくて、ごめんね
何もしてあげられなくって、ごめんね、
ねぇ、京介…
私のこと、まだ恨んでる?
「…京介…っ」
「…クソ真面目なお前がそう言うんなら本当にそうなんだろーな。だが俺も…ガキ共を、心路を、命がけで守る!そう誓った。」
『命がけ』そう言ったクロウの言葉がすごく、遠くにしか聞こえなくて。
考えを止めるように、顔を手で覆った。
私は、また
何もできないまま、誰かを失っちゃうのかな