Beide gefuhle-D-

□よかったな
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「待ち合わせ場所はここでいいのか?」

「あぁ、間違いない」

「まさか遊星とクロウ!セキュリティに捕まったんじゃ…」

「バカ!縁起でもないこと言うな!」




クロウが見慣れないヘリの様子を見に行ってから随分時間が経ち、
空が赤く染まり始めた頃、サテライトの方から数人の声が聞こえてきて身を潜めた。

響いてくる話の内容と出てきた名前に驚いて、思わず飛び出しそうになったのを、Dホイールの音が思いとどまらせたけど
段々と近づいてくるブラックバードとクロウの姿に、子供達は駆け出していつもの様子でクロウを出迎えた。

出遅れつつも、その輪へ近づくと思いがけない姿が見えて、
おみやげおみやげ!と騒ぐ子供達に呆れながら、代わりと称してクロウが紹介したのは遊星だった。



「…遊星…?」


群がる子供達から、私に視線を向けた遊星は小さく笑った。


「ナマエか、久しぶりだな…元気だったか?」

「遊星こそ…シティに行ったんでしょ…?」

「あぁ、まぁな」

「えと、ジャック…と…」

「ナマエ、そういうのは後にしとけ、後に」


な?とクロウが私の背中に手を添えた。



「あ、そだよね…ごめんね」

「いや、構わない」





落ち着いてもらうために、火をくべて座れるところを用意して。
飲み物を取りに行ったクロウを追う。



「私も持ってく」

「おー、サンキュ」



他愛ないものは手短に、話を進めていく。
見知らぬ人たちは皆遊星の仲間だということや、今の状況。
痣や滅び行くかもしれない未来の話。

どれも嘘みたいな話ばっかりで、
でも遊星が嘘をつかないことなんて分かっているから
今ある情報だけでも頭の中で整理しようと話が続く中で脳を働かせた。



「真実は分からない。だが、コイツとスターダストが奴らを敵だと言っている気がする」

「ここが戦場になろうとも俺は、あいつらを守る。あいつらを守ってやれるのは俺だけなんだ。遊星!俺も力を貸すぜ!」


そういって、遊星のDホイールで遊んでいる子供達を見た。
私も、何があっても、あの子達を守って力になってあげたい。






「クロウにいちゃん!あの話して!」



そう考えていると、クロウの体が揺れた。

いつものように、せがまれて話を始めるクロウ。
伝説の男の話を語るクロウの声に耳を傾けながら、水の入った瓶を揺らす。

すると隣から、ふっと小さく笑ったような声がしたような気がして
遊星を不思議そうに見つめた。



「……?」

「最後に見たときよりも、いい顔をするようになったと思っただけだ」



そう言って遊星は優しく微笑んだ。

私、どんな顔してたのかな…なんて改めて考えると、
今度は変な顔になっていたのかまた遊星が小さく笑った。



「深く考えなくていい。」

「?」

「顔を見れば分かる、今 ナマエがここを好きなことくらいはな」



そう言って遊星は、揺らめく炎へ目を向けた。

そう、簡単なことで
私はここが好きで、皆が好きで、クロウが好きで。
何気なくする昔話も、子供達の笑顔も

変わりないこの居場所が心地よくて。

遊星が微笑んでくれた今の私で居られたのは、





「…皆が、居てくれたから」

「…そうか」





私は、答えだけを口にしたのに
遊星は全て分かったみたいに優しく応えてくれた。









ったな



そういって遊星は、私の頭を優しくひと撫でした。












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