American lemonade-D-

□Vodka Gibson
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セナとまもりお姉ちゃんを追いかけるようにしてアメフト部に入部したのは、ついこの間。

まもりお姉ちゃんにはすごく心配されたし、セナにもやめておいた方が…って止められたけど
2人と一緒に何かしたいから、と言って納得してもらった。


けど、内緒にした理由がもうひとつあって


大会初日、セナの主務デビュー戦だと聞いて見に行った
その試合に出ていた

21番の人の走り方が



どことなくりっくんに似てる気がして



河原でセナとりっくんが走ってるのを見てたから なんとなく覚えてる程度で…あんまり自信はないんだけど…
それでも、どうしても、確かめたくて

王城戦に向かうその背中にそっと問いかける。



「貴方は…りっくん…?」

「え……?僕は陸じゃ…あ゛っ!!い、」



違うような気もしてた
すぐ傍に、同じように走る人を知っているから。

でも、もしかしたら、って



「…じゃあ、セナなんだね」



心のどこかで期待してた。

そんなに、簡単に会えるはずないって分かってたつもりだったのに、



「え゙!?や、えーっと…」

「走り方、似てたから…りっくんかと思っちゃった」

「……」

「バレてるならしょうがねぇ」

「!!」
「蛭魔先輩…」

「お前はこれ持ってスタンド行け。糞主務と二人で写真撮ってることにしろ。糞マネには絶っ対バラすんじゃねぇぞ。分かったな」

「…はい、」

「……」



どこから出したのか ぽい、と投げられたカメラを受け取って
蛭魔先輩がフィールドに入っていくのを見送った後、無言で隣に立っているセナに視線を向けた。



「…言わなくて大丈夫?」

「……喧嘩になっちゃうし」

「…確かに」

「やれるだけ、やってみるよ」



周りには聞こえないように、小さな声で返事をしたセナに頷いて
私も一言 返した。



「頑張ってね、」



頷きだけを返してフィールドに向かうその背中を1枚、写真に収めてスタンドへ向かう。





違った、

違ったんだ、



りっくんじゃ、なかった。





分かってた、つもりだったけど それはやっぱりつもりだった。

今、全部はっきりした。





いつか、会えると期待してたことも

それを諦めてなんかないってことも








ぱり彼が



私の中で ずっと、特別だってことも



Vodka Gibson-ウォッカギブソン-
【隠せない気持ち】







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