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□そらいろえのぐ
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ふと目が覚めた。


締め切った厚いカーテンからは外の様子は確認出来ない。闇に目が馴れるのを待ち時計を見ると、針はまだ朝には早い時間を指していた。


妙に目が冴えてしまった。




昨夜は談笑しながら眠りについた。
フッと息を吐けば、酒気を帯びた吐息は冷たく乾いた部屋の空気に散ってゆく。

アルコールが入っていた所為か、饒舌でいつもより声高に話しこんでいた。取り留めのない話題でも、アルコールのお陰か酷く充実していたような気がする。







部屋の外の見えない空の色を思い、心の中で悪態をつく。

この平和な生活は永遠だと保証された訳ではない。いつ襲い来るやもしれぬ地球外(そと)からの敵と、身の内(なか)から迫り来る、その敵へ立ち向かわなければならない宿命に怯え、堪えること…。




何故自分がそんな宿命を負わねばならないのか。


普通の生活を営む事は許されないか?




拳を握り締めると掌に爪が食い込んだ。














いつの間にか拳はほどけ、カーテン越しにも外が明るくなったのだと分かる時間になっていた。



カーテンを開ければ、水色の絵の具をぶちまけたかのように広がる、青、青、青。


鮮やかな色の空が目に入り、無性に口惜しい思いがこみ上げてきた。




現実はそう絵の具のように色分けされていないし、同じ色など無いのだ。

空の先にある宇宙は真っ暗で真っ黒。

まさに暗黒だ。


唯、星の光だけが頼り。







感傷的な事を考えて自分らしくもない…。









空を押し返す真似をしてひとつ伸びをする。



どんな夢をみているのだろう。
そう思い振り返ると、枕元まで差し込む日の光が眩しいのか、心地の良い眠りをおかされまいと身じろぎして腕で顔を覆う。

その仕草がなんとも可愛らしくてつい口元が綻んだ。











果ての無い空を憎んでもしょうがない。


未来は可能性に満ちているのだ。

どうせなら皆が笑顔の未来を創りたい。

自分達で未来(それ)創ってゆくのだ。





思いを、想いを交わし合い。


手と手をとり合い。


命を紡いで…。











END

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