Long Story

□再びの出発
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【颯妃よ、そなたに頼みたい事がある】



うなだれていた颯妃に優しい声が響いた



【狼欄は、再びそなたを狙うであろう
三蔵一行に協力し、狼欄を葬って欲しいのだ】


【狼欄を葬った場合、褒美としてそなたの願いを1つ叶えてやろう】





『――…貴殿方は残酷ですね
母の居場所と引き換えに父を討てと?』




【どう解釈するも、何を願うかも そなた次第だ】



確かに狼欄を許す気はない


母を捜すだけではなく、狼欄も見つけ出し闇に葬るつもりでいた


だが、それは自分自身の問題であり、依頼として受けるのは嫌だった


――‥‥しかし









『……わかりました』



母は名前と大まかな年齢しか分からないのだ


顔も 声も 何処にいるのかも知らない


捜し出すには途方もない


今は利用されてでも、情報が必要だった





【そなた達の働きに期待しております】



流石に腹が立ったので、会釈もせずに謁見の間を足早に立ち去ってやった













『と言うワケで、これからよろしく』



待ち受けていた男4人にペコリと頭を下げる



「まぁ‥事情が事情ですしね」



「俺は嬉しいねぇ〜花が増えて」



「三仏神の依頼だ…仕方ねえ」



それぞれの言い分はありそうだが、権威者の命令には逆らえないという事だろう


それに、颯妃の母の手掛かりにつながるのなら
……そう思ったのだ




旅は颯妃を加え、再び西を目指す事となった



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