Long Story
□錯綜する気持ち
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朝から悟浄と颯妃の態度がおかしかった
前日にあんな事件があったのだから、普通に接しろという方が難しいのだろうが…
「やっぱり、悟浄の事 気になりますか」
朝食後、片付けを手伝ってくれている颯妃に、八戒が苦笑しながら話しかけた
「えっ!?‥‥あぁ、まあ…少しは、ね」
まさかあの後、悟浄から告白された‥とは言いにくい
曖昧に言葉を濁す颯妃
「僕、悟浄に怒られちゃったんですよ…頭でっかちだって」
「頭、でっかち?」
「人の気持ちなんて、考えても分からないのに‥‥考え過ぎて、答えを見付けられなくて
結局、自分と同じ感情を他人も感じているのでは?…と思ってしまうんです」
「ふーん‥優し過ぎるのね、八戒は」
「臆病なだけですよ
他人が傷付く姿を見て、自分の古傷を思い出すのを恐れてるだけの」
「でもさ、他人を傷付けても何も感じない人よりはいいんじゃない?
痛みを知らない人は、強くもなれないし、人を愛する事も出来ないと思うな」
「そう考えられる颯妃さんこそ優しいですよ。それに、とても強い」
「そんな事ないよ
もし そう見えるのなら、貴方達のお陰。戦う勇気を貰ったんだもの」