Long Story
□再びの出発
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再び三仏神との謁見を許された颯妃
今回は三蔵は遠慮し、彼女一人での謁見となった
【では‥狼欄はそなたの父親であり、今は亡き者だが、式神としてこの世に留まっていると言う事なのですね】
狼欄に聞いた事を三仏神に話す
『はい。真実か定かではありませんが、私にも母と同じ‥特殊な能力があります』
【炎使いの櫻華…確か、25年前に一度会いましたね】
【うむ。人間ながら特殊な力を持っていた】
『お母さんに!?
会った事があるのですね』
【左様。丁度そなたと同じ位の歳だった
櫻華は自分の力に恐れを抱いていた……いつか暴走し、人を傷つけるかもしれないと】
【そこで、我らが制御装置を施した】
【――…それが 仇となるとは】
制御されていなければ、狼欄に汚される事もなかったかもしれない
そう、三仏神は言いたかったのだろう
『それで…母は――‥生きているのでしょうか?』
祈る様な思い
私の存在を確かな物に変えてくれる「母親」に会いたい
【櫻華は生きています
ですが、居場所を教える事は出来ません】
『何故ですか?!』
【彼女との約束なのです
如何なる人間が尋ねてこようと、居場所を教える事はしないで欲しい‥と】
『娘でも‥ですか?』
【如何なる人物も‥と約束しておる】
微かに見えた光が、早くも消えそうになっていた