Long Story
□母の手掛かり
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『三仏神は、貴方を人間でも妖怪でもないと言ったわ
貴方は一体何者?』
「ほぅ…無能だと思っていたが、三仏神も気付いたか
――‥私は式神だ」
三仏神の予測通りだ
だが、式神は術者が使役するもの
狼欄の様に意思を持ち、勝手に動く式神などいるのだろうか?
第一、私が狼欄の娘なら、式神の子供という事になる
そんな話、聞いたことがない
「驚くのも無理はない
この術を使ったのは過去に1人だけだ」
『――術?』
「私は生きている時、高等な呪術師だった
そして、誰にも使えないとされる、波動を操る術を身に付けた唯一の人間でもあった」
『生きている‥時』
つまり、目の前の呪術師だった男は死んでいて、式神として生き返った?
「私は敵も多かった
年齢には勝てず、油断もあり‥刺客に殺された
その時、絶命寸前に自分で自分を式神としたのだ」
『そんな‥こと』
「可能なのだよ
過去に一人、自分に触媒を埋め込み自らを式にした妖怪がいた……百眼魔王の息子だ
もっとも、もう破壊されたがな」
聞いたことはある
百眼魔王の息子は生きていて、復讐の為にある妖怪を捜している‥と
だが、自らを式神にしたというのは初耳だ