Long Story
□生い立ち‥そして
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予感はあった
自分は、人間ではないのでは?という
――…だけど
「足はえーんだな、颯妃は」
息を切らし、悟空が横に並ぶ
『……何?
用事がないなら独りにして欲しいんだけど』
「や‥‥用事は ないけど」
まるで初めて会った時の様な、拒絶剥き出しの態度
悟空ですら近寄り難い雰囲気だ
「ちょっとさ、話 したいんだ」
そう言って、木陰を指差した
颯妃は少し躊躇った後、静かに腰を下ろした
それを見た悟空も隣に座る
『それで?同情の言葉でもかけに来てくれたってワケ?』
「同情なんてしない」
『じゃあ何?
珍しい生き物の観察?
人間に見える‥人間か分からない生き物の』
「そーいう事言うのヤメロよ」
『何が?……事実じゃない。私が人間じゃないかもしれないのは』
「まだ分からないだろ!?
そーやって自分の事、自分でキズつけるなよ!」
『なっ……バカじゃないの?
――‥何でアンタが泣くのよ』
悟空の金色の瞳は涙が溢れていた