Long Story

□決別と出発
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薄暗い部屋


颯妃は闇と向かい合っていた







「今…何と言った」



『だから《Schwarze》を抜ける。私は三仏神の処へ行くわ』



「裏切るつもりか」



『裏切る程の信頼関係があったとは思えないけどね…
そもそも、私の行動には関与しないはずよ?
仕事はこなしてたんだし、組織の事は何一つ話さないと誓うわ』



「今に後悔する事になるぞ…」



『此処に留まるよりはマシよ
もう、逃げないって決めたの』




あの男逹なら…
きっと 同じ事を言うだろう






「颯妃よ…記憶もなく、野垂れ死にそうな貴様を拾い、育てたのは誰だ」



『―――‥っ』



「生きる術を教え、ここまで自由にやってこれたのは…誰が居たからだ?」



『――‥煩い!!
少なくとも自由ではなかった!本当は殺しも‥傷付けるのもイヤだった
もぅ、自分を偽って生きるのはゴメンよ』



「偽る?…本当の自分など分かりもしないのに
お前は闇の中でしか生きられないのだ……殺す事でしか自分の存在を明確に出来ぬ」



『違う!私は、わた‥しは……』










何故だろう

悟空に言われたのに…



逃げないって

自分を取り戻すって


なのに、気持ちが‥心が
砕けそうになる



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