Long Story
□脱出と出会い
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「うるせぇ、騒ぐな
――八戒、部屋に入る時お前が最後だったな
ドアに取手は付いてたな?」
「えっ…ええ。
そう言えば、何だか違和感を感じたのですが
――…そう、ヤケに冷たかった様な気が」
「おそらく、氷だ」
「「…こ‥おり?」」
思わず悟空と悟浄がハモる
「床が濡れてる。氷で取手を作り、水に溶ける素材を巻き付けておいたんだろう
ドアは消えちゃいねぇよ」
よく見ると、扉があった場所に薄く隙間がある事が分かった
「入る時、確かドアを押して入りましたよね?」
「つーコトは‥このドアは引かなきゃダメってコトだな」
「蹴破っちゃえば?」
「危ないですよ悟空。何か仕掛けがあるのかもしれないですし」
相手は得体が知れない
恐らくこの部屋に…いや、店に来た時から彼女の手中だったに違いない
「じゃあ、どーすんだよ?俺達出れないじゃん!!」
慌てふためく悟空
冷静な風に見えて、心臓バクバクな悟浄
「悟浄、錫杖の鎌を扉に突き刺して引け」
溜め息混じりに三蔵が言った
「………あ」
扉を恐る恐る引いたが、意外にも何も起こらなかった