Long Story
□第二章【始】
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朝早く 颯妃は森の中にいた
目の前に広がる湖
その前で精神を集中する
風もないのにさざ波が起きる
水面の上に 大きな水球が出来上がると、高速で回転しだした
「見事だな」
突然 背後から声を掛けられ、集中力が途切れる
「さん‥ぞ」
「馬鹿が!集中しろ」
時 既に遅し
力を失った水球は、湖へと落ち、まるで海の様に大波を立てる
その波は颯妃と三蔵に襲い掛かった
「何とか出来ねえのか」
「無理!!」
取り敢えず逃げるが、水の速さに勝てるわけもなく…
「くそッ…」
「キャアッ!」
あっという間に水浸し
流されなかっただけマシというものだろう
びしょ濡れで宿へ帰った2人を見て、八戒は唖然とした
「はぁ‥それでびしょ濡れでしたか」
シャワーを浴び、温かいお茶を飲みながら事の成り行きを説明する颯妃
「狼欄と戦った時は、力の制御が出来たの
悟浄の時は無我夢中だったし…
今は、気を抜くと暴走しそうになる。だから、少しでも制御出来る様に特訓してて…」
「それで毎朝出掛けていたのですね」
「足手まといにはなりたくないのよ」
術が使えなくても、颯妃の戦闘能力は高い
それでも足りないと思うのか