Long Story

□気付かぬ想い
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朝日が降り注ぐ


三蔵は眩しさを避ける為に寝返りをうった


手が柔らかい何かにあたる

はっきりしない頭で物体が何かを考えるが、温かくて柔らかいソレについ触れてしまう


滑らかな曲線
ふにふにとした感触

何だか甘い香りもする



もう少し近くに‥と引き寄せようとした時、悲鳴と同時に平手打ちが飛んできた



「き‥きゃああぁぁっ!!
このっ、変態!」



「…ってぇ‥‥誰が変態だ」



「自分が触ってるのが何だか分からないの?」



「あ?――…ぁ、ッ!」



何だか気持ちがいいと思ってた触っていたのは、颯妃の胸の膨らみだったのだ

思わず赤面し、手を払いのける




「天下の三蔵法師もタダの男って事ね」



「――その…悪かった」



素直に謝る三蔵に、溜め息をつきながら苦笑する颯妃






「三蔵、颯妃さん?何かあったんですか!?」



八戒がドアをノックする



「大丈夫。ちょっと寝惚けただけだから」



「そうですか?ならいいですけど
もうすぐ朝食が出来るそうですよ」



「はーい。じゃあ起きるわ」



バツが悪いのか、三蔵は颯妃と顔を合わせない様にしている





「さっきのは不慮の事故って事で‥まぁ、気にしない様にするから」



「…助かる」



「それと、昨日はありがと ね。傍にいてくれて」



「お前が離れなかったからな」




「それでも‥‥ありがと」



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