Long Story

□生い立ち‥そして
3ページ/6ページ





【そうか‥己と向き合う事にしたのだな】



再び三仏神の元を訪ねた颯妃と三蔵




『はい。…例え私の正体が分からなくとも、狼欄とはもう一度会わなくてはならない』



「ヤツの行為を悔い改めさせる為にか」



三蔵が訊く



『ううん……自分にケジメを着けたいの
狼欄と決別しないと、私は先に進めない気がするから』




親代わりだった


自分の正体が何であれ、今まで育ててくれたのは狼欄なのだ


どんな目的があったのか

何の為に育てていたのか

答えを聞けなくてもいい


自分の気持ちにケリをつける

その為には、狼欄と対峙しなければならない












【一つ分かった事があります
おそらく狼欄は人間でも妖怪でもないでしょう
生命を感じないのです】



『死霊‥とでも言うのですか?』



【可能性は否定出来ません
もしくは何者かの式神……いずれにせよ、油断召されぬ様】



『分かりました』








ふと、狼欄の言葉を思い出す



《お前はもう一度会いに来る》



奇しくもその通りになってしまった








三仏神に会釈をし、三蔵と颯妃は部屋を出た




もう、すっかり日が暮れていた




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ