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□ある夏の日にて
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青い空
白い雲
照り付ける太陽
こんな日はやっぱり―…
「ちょっと名無しさん、そんな所で寝転がってんじゃねーよ」
『うっさいなぁ…』
珍しく稽古に来たらしい咲彦に邪魔だと言われた
でも、道場の床って何故か冷たくて気持ち良いのよねぇ
風通しも抜群だし
「ま、確かに気持ちは分からなくもないがな」
辰巳さんはそう言って、私と同じように寝転がった
「ああ、辰巳さんまで!!」
もう、姉さんに叱られてもしらないからね!!と言い残し、どこかへ行ってしまった
どーせどっかで暇を潰すんだろう
「……なあ」
『んー?』
目を瞑って冷たさに浸っていると、隣から声がかかる
しかし、いつまでもその後が聞こえなくて、目を開ける
辰巳さんの唇と私のが重なるのは、それとほぼ同じだった
『なッ!!//』
「プッ…お前、変な顔」
辰巳さんは、してやったりみたいな顔してて
反対に私は急なことに頭がついていけなくて、恥ずかしくて
『辰巳さんのバカ!!//』
慌てて起き上がって、自分の部屋に走る
「全く…可愛いヤツ」
辰巳さんがそんなことを言ってたなんて、私は知らずに―…
(夜楽しみにしとけよ、名無しさん…)