小ネタ(夢)

□当たり前の日常にある休み
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〜当たり前の日常にある休み〜



1『ただ今!!』

月面基地に呼ばれ極秘の単独任務を終えてtree houseに戻って来た彼女。そこには大型TVにてゲームと格闘する2と5の姿があった
2『あ、お帰りぃ♪』

ゲームは2が優勢ではないのに彼女はちゃんと返した。5にいたっては、優勢なくせして画面に夢中であり、聞こえてるのに必死なため返さない。それはいつもの事だから1も気にしない
彼女が近くのソファーに座った時に画面から終了の音がして、当たり前の様に5の勝利が掲げられている。5は満足そうに鼻で笑うが2はいつも通り悔しいというより楽しかったと言う表情。それもいつもの事

1『3と4は?』

2『3はもうすぐtea timeだからって準備しに行ったよ〜』

5『4はその手伝い。たく、早く帰って来いよ…』

2とのゲームに飽きた5は早く4が来る事を祈った
5にとって4はとても良き親友。家の事情で男として生きてきた4。家の事情で大人嫌いになった5。お互い家のせいで自分らしく生きていけなかったから、お互いがお互いを信頼するようになっていたのだ。しかも気も合い、女が苦手という点もお互いを親友と呼び合える様に仕立てたかもしれない
ちなみに3と5は性格が正反対で犬猿の仲。でも、いざとなればお互いの悪い所をフォローしあえるので、彼女達も迷惑していない

3『お待たせしました。あ、1帰っていたのですか?お帰りなさい』

軽く会釈をして3がこの部屋に現れた。いつもの事だけどスーツというか執事姿というか…。それが普段着であり、それでおすましキッズと闘いに行けるのだからある意味凄い人である
前もって用意した机にティーポットとティーカップを並べる。何度も飲める様に魔法瓶をセット。いつものように2つのティーポットと4つのティーカップ

5『聞くがオレの分は?』

3『飲みたければ自分で用意すればないですか?』

いつもの事。5は3を3は5を嫌いからこそ些細な事でも喧嘩は起る。毎度3は5の分を用意しない。それはいつもの事だけど、そのいつも事に対してキレる5もどうかと思う

5『てめぇ…。やるのか…?』

3『この様な場で人など殴りたくないのですが。むしろ触りたくない』

バチバチバチ。お互いの眼を一直線の火花がはしる。睨み合いの始まり。だが、それも…

1『いい加減にしなさい!!』

ガチンと鈍い音がした。1は2人の頭を鷲掴みお互いの額にぶつけたのだ、本気で。その事に対して5は怒るが彼女に勝てないので諦める。3に対してはぶつけられた額をタオルで拭き「すみません」と小さく彼女に謝った。そのいつもの光景に2は軽く笑う

4『おまた…って1帰ってたんだ。お帰り』

何も知らないまま4がケーキを持って登場
1は4に「ただ今」と返した

5『お、旨そうじゃねえか』

tree house内でちゃっかり食事担当になってしまった4。まぁ、家でも料理していたから苦ではない。だが菓子類は作れなかった彼女は今はtea timeの菓子類担当となるものだから、凄いとしか言い様がない

4『今日はフルーツケーキにしてみたんだ。クリームの甘さを控え目にね』

机にケーキを置いて綺麗に5等分。その間に5はティーカップを取りに行った
1人ずつに取分けたケーキ。カップには4以外紅茶が注がれた。そう4は紅茶が飲めないのだ。なので4用に緑茶を注ぐ

1『それでは、頂きます』

2・3・4・5『頂きます』

お互いケーキや茶を口に運び、黄色の声が飛び交う
それは茶やケーキの事では無くて、日常の事にまで発展する
嫌な思い出や苦しかった思い出も今では笑い話になって会話して

たまには闘いのないこんな平凡な日も悪くない



いつか互いの事を忘れてしまうのであれば



緊急指令が来るまではただの子供でありたい
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