小説

□好きと萌え
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「あんまり無茶するなって何度言ったらわかるんすか!?このジジイ!」


「誰がジジイだ、誰が!」


「いたっ痛いっすよ」


葉先輩と少佐のじゃれあい、何時もなら萌えていたのに…
いや、萌えてはいる
胸がバクバクとうるさく高鳴っている
だけど…心のどこかが悲鳴をあげている


「少佐の体は少佐だけのものじゃないんすから…」


やめて、聞きたくない
もっと、もっと妄想を書き立てるような言葉をちょうだい
二つの想いが重なり合って苦しみになる
この場にいたいのに
離れたいと思う
見たいと思うのに見たくないと目を閉じてしまう
一体私はどうしたの?


「俺、少佐の事が好きなんです」


その言葉を聞いた時私はその場を飛び出した
走って
走って…
ようやく分かった
私は葉先輩が好きなんだ…
だけど、それがわかった所でなんになる?
葉先輩は少佐が好きなのだ
私がいつも見ていたあの光景が頭から離れない
あぁ…なんで私は恋をしてしまったのだろう?
こんなに苦しくなるなんて
恋なんてしなければよかったんだ
解らないままでいればよかったんだ
ただ、二人を見て萌えていればよかったのに…
私は、部屋で泣いた
涙を流すことでこの心を流そうとしたけど
無理だった
































人を愛する事がこんなにも辛いなんて知らなかった

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