小説

□思い出フィルム
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「あれ?なにこれ」

本を取ろうとしたら、ひらりと落ちてきた紙

なんだろうと手に取ってみた。

「写真?」



思い出フィルム



写真には自分が慕っている兵部と子供3人が写っていた。

仕方がないなという顔をした兵部を取り囲む子供たち

一人は無邪気に笑い

一人は可愛らしく笑い

一人はすこし照れたように笑う

その子供たちに見覚えがあった。
兵部と写っている、いやこの写真がパンドラにある時点でこの子供たちはパンドラの一員だというのは澪でもわかる。

「誰だっけな?」

うーんと頭を悩ませていると後ろからひょいっと写真をとられた。

「うわ、なっつかしー」

「葉、これあんたの写真?」

「葉さん、だろ?このガキ」

「てことは、この人は紅葉さんで
こっちは真木さん?」

「おい」

葉の言葉を軽く無視した、というよりガキと言われたことよりも写真のことが気になるみたいである。

葉はわざとらしくため息を吐いた。

「そうだよ」

「うわー葉にもこんな時があったんだー」

「それ、どういう意味だ」

「確かに、今と比べるとこんな純粋そうな子供がこんなやつになっているなんて」

「「少佐!・ジジイ」」

「誰がジジイだ誰が」

と、いつものように口喧嘩を始める二人

澪はなんだか残された感じがした。
それがなんだが悔しくて…

自分だって少佐が好きなのに……兵部とじゃれている葉を見て焼きもちを焼いているのだ。

だが、ただ見ているだけじゃない
隙をついて、二人の中に入ろうと考えている澪

「あっ!そうだ!」

何か思いついた澪はあるものをテレポートで持ってきた。

それは…




「少佐!私も少佐と写真とりたい!」


「えっ?」



カメラだった。

自分も少佐と何か残したいと考えたのだ。

澪は二人の間に入ると兵部の腕に抱きついた。

いつもなら恥ずかしく、つい離れてしまうのだが今回は違う

自分だって大好きな人と思い出を残したいのだ。

恥ずかしがってはいられない

「だめ?」

「いや、別にだめじゃないけど」

「あれー?ジジイもしかして、写真を撮ると魂抜かれると思ってんの?」

「そんなわけないだろう」

「はい、カメラ係よろしく!」

澪はカメラを葉に押し付け定位置に戻る。

話は変わるが、ここはリビングである。

ここには澪たち3人だけがいるというわけではない。

澪と同じく本を読んでいる子や読もうとしている子

テレビを見ている子

おもちゃで遊んでいる子もいる。
さっきの澪たちのやりとりも見ていた。

と、いうことは…



「ずるい!ぼくも少佐とうつりたいー!」

「あたしも!」


と、その場にいた子供たちが押し寄せてきた。

澪は少佐と二人で撮りたかったのに…と思ったが、兵部が楽しそうに笑っているのを見て、まっいっかとカメラの方へ視線を向けた。


思い出を形にして残す…


物は壊れてなくなるけど、思い出はなくならないとよく聞くが


人は形がないと不安になるもの


いつかこの写真が色あせても


あるだけで、心が温かくなる


大事な、大事な宝物












END











おまけ?

「それにしても…いいカメラだね?澪のかい?」

「ううん、適当なところから持ってきた」

「てか、一眼レフって…こんなの買うなんて相当のマニアだよな」





一眼レフのイメージは●ャ●ンのD9●…

まぁ、デジタル一眼レフだからデータさえ無事ならきれいなままだね(オイ

タイトルは…うん、ない頭をしぼって考えましたよ!?

ほら、D9●はフルサイズだし!

昔のカメラのフィルムと同じサイズだし!

もう、昔のカメラなんてきっとめったに見られないよ!(そんなことねぇよ)

古い一眼レフの名前なんて知らないよ



書いた日2009/01/12

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