この蒼い空の下で 参

□Birthday
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※ 旧歴での生誕夢です。


良いのかなと思いながらも政宗と二人、宴席を離れる。席を立つ時に小十郎さんが大丈夫だと言うように頷いてくれたから大丈夫だとは思うけど・・・。

前を歩く今夜の宴の主役たる政宗を見る。今日は政宗の誕生日で、宴はそれを祝ってのもの。

去年は私のせいで急遽中止になってしまったけど、今年はちゃんとお祝いの宴を開くことが出来た。

なのに宴が最高潮に達してきた頃に大広間を出て来てしまった。私はともかく主役の政宗まで。

私はお酒に弱くて匂いですらダメだから、宴が始まる前から室内の酒気が濃くなる前に引き上げることになってた(そうしないと政宗に怒られるし私も猛烈に恥ずかしい思いをすることになってしまう)。だけど政宗も一緒だなんて予定外。

二人きりで、とも思うけどみんなでワイワイお祝いしたい気持ちもある。

どっちが強いかっていうとそれはやっぱり・・・。

でも政宗は国主で、私一人のものじゃない。国主のお祝い事なんだから・・。


「んっ!?」


突然立ち止まった政宗に、どうしたのかと顔を上げたら腰を抱き寄せられキスをされた。最初はびっくりして、次には恥ずかしくなっておろおろと視線をさ迷わせる。


「い、いきなりしないでっ」


「余計なこと言いそうだったから“口を塞いだ”だけだ」


だからって、なんでキスなのよ。もうっ!


「余計なことって何よ」

「俺一人戻れって言う気だったろ」


お見通しだったみたい。そんなに私は単純なのかなと情けないやら悔しいやら、だ。


「だって、今日は政宗の誕生祝いの宴だし・・・」

「だからこうして二人で離れたってのが分からねぇのか?」

「どういうこと?」

「お前と二人きりの時間があいつらから俺への最高のPresentだってことだ」


タイミング良く大広間の方から「梵と美夜ちゃんにカンパーイ!」と言う成実さんの声と、それに答えるみんなの声が聞こえてきた。

私の心配が見当違いだったことが分かって安心したけど、広間のみんなが二人きりになった私と政宗がどうするのかを想像していそうで猛烈に恥ずかしくなった。

別に特別なことなんて何も無いんだけど!


「い、行こ!」


早くみんなの声が聞こえない所に行きたくて、政宗の手を引いて足速に歩く。背後で政宗がククッと楽しそうに笑うのが聞こえてすっごく悔しいし恥ずかしい。真っ赤になるのも焦るのも、いつも私ばっかりだ。


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