この蒼い空の下で 参

□温泉
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「佐助よ、あれの用意はしてあるか?」


まったりお風呂を満喫してたらお館様の声。あれってなんだろ。


「してありますよ。けど飲み過ぎないでくださいよ」

「もしかしてお酒?」

「美夜ちゃんも飲む?」

「いい! いらない! 飲まない!」


素っ裸で飲んだら大変なことになっちゃうよ! 幸村とお館様だけならまだ良いけど佐助も居るんじゃ・・・。とんでもないことになりそうな予感がビシバシする。あ、でも綱元さんが居ないから大丈夫か? いやいや、ダメだ。やっぱりダメだ。佐助はドSなんだからやっぱり飲んじゃダメだ!


「もしかして美夜ちゃんお酒弱い?」

「な、なんのこと? それより幸村はどうしたの? やけに静かな気がするけど!」


佐助の声が虐めてくる時のものだったから慌てて話題変換。気になっていたことだからスルッと出てきたんだけど、聞いた瞬間に何やら呻き声のようなくぐもった声が聞こえてきた。


「どしたの?」

「旦那が鼻血出しそうなだけ。悪いけど風呂から出るまでできるだけ喋らないでもらえる? 鼻血風呂に入りたいなら別だけど」

「静かにしてるよ」


即答した。仕切りがあってもすぐ近くで異性と一緒に入浴、なんて純情で奥手な幸村には堪えられないってことかな。情けないのぉとお館様の呟きが聞こえた。全くだ。


「幸村、おぬしも一献付き合え」

「は、はっ。では有り難く」

「旦那はそんなに酒に強くないんだからほどほどにしといてよ。倒れたら運ぶの俺様なんだから」

「分かっておる」


某がお注ぎします、とかいろんな会話が聞こえてくる。あっちだけ良いなぁ。楽しそう。会話だけでも私も混ざりたい。でも鼻血風呂は嫌だしなぁ。あーあ。せっかくの露天風呂なのにつまんない。


「退屈そうだね」


お湯を掬っては落としてを繰り返していたら苦笑してるだろう声で佐助が聞いてきた。


「だってそっちだけ楽しそうなんだもん」

「だってさ、かすが。一緒に入ってあげなよ」

「かすが? 誰?」

「軍神とこの忍だよ。かすが、美夜ちゃんは隠し事が下手だから一緒に入ればいろいろ聞けると思うよ? それに寂しがってる女の子を放っておく気?」

「お前がそこまで言うなんて珍しいな」

「ぉわ、ごぼっ!」


勘違いした佐助が独り言言ってるだけに感じ始めた頃、背後から上がった可愛い感じの女性の声にびっくり。その拍子にお尻が滑って頭まで湯に沈んでしまった。

バシャバシャもがきながら水面から顔を出し、軽く咳き込みながら簡易の脱衣所を見た。


「うわぁ・・・・」


脱衣所には黒いボンテージっぽい衣服を来たナイスバディで超セクシーな金髪美人が居た。


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