この蒼い空の下で 参

□Hallowen
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【17 〜 18 辺りの話】


「・・・っていうイベントがあるわけよ」

「へー」

「へーって、何よそのうっすい反応は」


耳の穴に突っ込んだ小指の先にフッと息を吹き掛けてる成実さんを軽く睨む。こっちに飛ばしやがったら殴るからね。


「だってさー、俺甘いモン苦手だから脅してまで欲しいなんて思わねーもん」

「脅してって、まあ確かにそんな感じだけど。って、そうじゃなくて!」


バン! と両手で畳を叩いて興味零、という態度の成実さんの意識を私に向けさせる。


「お菓子貰うためにやるのは子供の時まで! 私がわざわざやりたいのは政宗に悪戯したいからなの!」

「梵に悪戯なんかしたら美夜ちゃん後で仕置きされると思うんだけど」

「そこは大丈夫。ハロウィンは西洋の文化なのよ? 異国文化に興味ありまくりな政宗のくせに知らなかったからってお仕置きするなんてただの八つ当たりじゃない。って言うから」

「うーわー、梵の神経逆なでしそー。でも確かにそー言われたら仕置きはしづらいかも」

「でしょ!? ってわけで成実さん、確認よろしく」

「は? 俺? ってか何の確認?」

「政宗がハロウィン知ってるかどうかの確認。知ってたら悪戯失敗になる可能性が出来ちゃうじゃない。だから気付かれないように確認してきて」

「えー、俺がー?」

「成実さんも混ぜてあげるから。政宗に悪戯してみたいでしょ?」

「失敗しても怒らないでよ」


ころっとやる気になった成実さんはさっそく政宗の部屋に向かった。私も途中まで後を着いて行って政宗の部屋が良く見える場所に隠れて様子を伺う。


「梵ー、ちょっと聞きたいことあるだけどいい?」

「なんだ」

「はろいんって知ってる?」


成実さんんんん!!? なにド直球で聞いちゃってんの!? 私気付かれないようにって言ったよね!? それにはろいんじゃなくてハロウィンだから! 微妙に違うよ!


「はろいん? なんだ、そりゃ? とうとう頭が沸いたか」

「酷ぇ!! 俺の頭はいたって正常だよ! 知らないなら知らないって言うだけで良いだろ!?」

「用が済んだならとっとと行け」

「今度は冷てぇし! 拗ねてやる!」


勝手に拗ねてろ、と言いたくなる捨て台詞を吐いて戻ってきた。成実さんはちゃんと確認してきたぜ! と得意げだったから脛を一発蹴っておいた。聞き出すにもやり方ってものを考えやがれ!


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