この蒼い空の下で 参

□七夕
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政宗の膝から降りたい気持ちは変わらないけど暴れても政宗相手じゃ効果は無いだろうし暴れ過ぎて小十郎さんを怒らせてしまうことになったらそっちの方が怖いから政宗の膝から降りるのは諦めた。こっちが何か言ったりやったりしない限り政宗もしてこないみたいだし。こんなとこに座ってるなんてラブラブバカップルみたいで恥ずかしいけどね!


「いつも三人で呑んでるの?」

「そうでもないよ。今は綱元が留守だから三人なだけで集まって呑むとしたらいつもは四人だからね」

「誰、その人?」

「そろそろ戻ってくる頃だったか?」

「そうですな。数日もすればこちらへ戻ってくるはずです」

「つーことだ。戻って来たら紹介してやる」


それまで待てってことね。どんな人なんだろう。優しい癒し系の人が良いなぁ。


「そういや美夜ちゃんの居た世界では七夕に何かやったりするの?」

「急に何ですか?」

「だって今日七夕じゃん? もう夜だけどしたいことあるなら梵に頼んでみなよ」

「絶対に嫌! 代わりに何を要求されるかわかんないもん!」

「そんなにしてほしいならいつでもしてやるぜ?」

「そんなこと一言も言ってないでしょ!」


にやにや笑いながら顔を近づけてくる政宗から少しでも体を離すために胸に手を置いて腕を突っ張る。だけど政宗に腕を掴まれ仕返しのように腰を抱き寄せられた。丹精な顔の異性に顔を近付けられて平然としていられる人なんて自分も同じような美形かもしくは男に興味の無い人くらいだろうに真っ赤になる私を見て楽しげに笑うだけでもムカつくのに政宗はさらに私をからかって遊ぶ気だ。このドSめ!


「おら、してほしいこと言ってみろ。特別に叶えてやる」

「そんな特別いらないわよ! それにこの歳になったら七夕なんて特に何かしたりしないのよ!」

「Ah? お前の居た世界じゃ年齢制限でもあるのか?」

「無いけど七夕にすることって言ったら笹に願い事を書いた短冊を吊すくらいだから小さい時くらいしかやらないの」

「美夜ちゃんはどんな願い事書いてたの?」

「秘密」

「どうせこいつのことだから背が伸びるように、だろ」

「なんで分かったの!?」


思わず政宗を見たらにやにやと質の悪い笑み浮かべながら私の頭をペシペシ叩いてきた。ムッカつく! どうせ私は小さいわよ! チビよ! でも政宗がデカすぎるってのもあるんだからね!!


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